そこにある湿度
- 2010/03/08(Mon) -
名画感応術―神の贈り物を歓ぶ (光文社文庫)/横尾 忠則



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 先週の通勤時に読んでいた本。

有名な絵画などの芸術作品の知識とかあったら楽しいだろうなぁ とは思っているけど、中々そういった知識って頭に残らない。
大人な男性? を目指している?

こういったものに触れるようになったが、それは一つの興味を持ったからだ。
それが、「雷に打たれたような衝撃を受ける瞬間」というものを味わってみたい、という興味。

よくマンガや著名人などが、過去の名品などを目にしその瞬間に今までに味わった事のない感動を覚えた!みたいな表現があるけれど、そういった瞬間に立ち会った事がない。
いったいどんな事を感じるのだろうか。

それはどうやったら体験できるのだろうか。





それを体験するために、有名な歴史に残るような作品に出会ってみよう、という行動に出始めた。
といってもこちらの都合やらなんやかんだで頻度は低いけれど・・・







 しかし今回はどうしても見てみたい作品があったので上野の国立美術館へ向かった。



「没後400年 特別展 長谷川等伯」

「高温多湿の風土に住む日本人にとって適度の湿度は生きるのに欠くべからざる条件だ。
だからこそ松林図は日本人の心を引きつけてきた。
・・・・・・長らく日本人は、他人と湿度を共有することでお互いを支え合ってきた。
 
個性の主張、精神の自立。結局は周りの人間を切り捨てることだ。
いつの間にか日本は、切り捨て切り捨てられた人間でいっぱいになってしまった。
ところが、それじゃあ、湿度が足りなくて苦しい。

そこへ携帯電話が現れた。
メールや通話を交わすことで、ひととき湿度を共有できることを知ったのだ。
携帯は湿度の“利器”となったんだ。」



この台詞は自分の中のマンガ殿堂入りしている「ギャラリーフェイク」の主人公の言葉。
この言葉を見て以来、ずっと長谷川等伯の「松林図屏風(国宝)」を実際に見てみたいと思っていた。

実際に見たとき、どういった感動を覚えるのだろうか。





国立美術館など、上野公園の美術館はとても混雑する。
しかも今回は展示日数が少なめなので、混雑を予想しながらも天気の悪い土曜日に朝一から向かった。

美術館に着くと、入場制限などはしていなくすんなりと入れるが、中は混雑している。




展示の前半部分は仏画や桃山文化を表したような絢爛豪華な屏風など、力強い作品が並んでいる。
10メートルを超える涅槃や、金屏風に書かれた作品など強く魅了される。

そして最後、見たかった松林図屏風が展示されていた。




それまでの作品は、様々な色が使われしかも400年近く前のものなのに鮮やかな色合いが残っている。
しかし松林図などは水墨画。 黒一色で書かれている。
しかも屏風全面に細かく書かれている、というよりは遠めに見ると書かれている部分は非常に少ない。

けれど、目の前で見ないと伝わらない感動がそこにあった。
黒一色ながら、その黒に濃淡がついて非常に広さを感じる。(近いものは濃く、遠いものは薄い)
何も書かれていない空白、その間がなんとも言えない距離を感じさせる。
目に見えない霧が描かれている感覚を持った。

厳密に言うと明白に全てが書かれているのではないけれど、まさに自分がそこにいるような感覚、そして先に続く松林を感じる気がする。

展示されているのでガラスの向こう側にあるんだけれど、もしガラスなどではなく直接自分の前に置いて目の前をふさいだら、本当に自分が松林の中にいる感覚になるだろう、という事が容易に想像出来る。



松林図以外にも、見ていて引き込まれる水墨画の作品があった。
等伯すごいわ

ピカソやモネのような絵画よりも、自然とすっと感動を味わう事が出来た気がする。
やっぱり日本人が好んだ日本人の作品だからかな?
これが湿度を感じる、というものなのかな。。。





これを機に、他の人の水墨画も見てみたいなぁ と思った。
またこういう機会があったら積極的に行ってみよう!







 等伯展を2周して、ちょうどお昼過ぎになったので上野のクラウンというカレー屋で食事。



お腹もふくれて所で上野を後にした。

続く・・・



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