とあるBARにて・・・   パート7
- 2011/01/04(Tue) -

 「一緒にやらないか」




静かなとあるバーにて、二人の男が何か真剣なまなざしで未来を語り合っていた。
カップルが似合うバーではあるが、そこに似つかわしくない男が二人。

着慣れたスーツではなく、どこか慣れない風合いを感じさせるジャケットをドレスコードのために着飾った雰囲気を感じさせる。

親友でもなく、初対面でもなく、微妙な距離感が心地よく感じる。





 「一緒にって何をですか?」


 「現状のままで進むのではなく、新しいステージに進むためのパートナーとして君の力が必要なんだ」


 「とはいっても僕も自分の仕事がありますし・・・」







 「君の今を全て捨てて、といっているわけではないんだ。 もちろん私が中心となってこれからも進んでいく。
だけど一人の力ではもう限界なんだ。  新しい力が必要なんだ」



 「もちろん僕もあなたのために何かをしたいという気持ちは持っています。」


 「そういってもらえるだけでありがたいよ」


 「そのへんは持ちつ持たれつで今までやってきたじゃないですか」






 「具体的にはどうすればいいんですか?」

 「君のいまをどうこうして欲しいわけじゃない。 出来る範囲で良いんだ。
出来る範囲で私のやっている事に協力してくれるだけで良いんだ」






年上の男はこれからの状況を説明し始めた。 それを聞いて黙ってもう一人の男はうなずいている。
そして何かを考えるように動きは止まった。



 「それは難しいですね。」


 「だから出来る範囲でいいんだよ」


 「やるからにはしっかりとやりたいし、未来の展望は見えます。 やれると思います。」


 「そういってもらえるとありがたい」


 「だけど・・・」


 「だけど?」






 「未来が見えるといっても近い未来なんです。 永遠と続いているわけではない
それと今の現状を続けながらだとリスクも生じます。 二つやっているという事実を晒す事は僕の身が危険にさらされる確率が高まるわけですから」



 「出来る範囲だけでいいんだよ。 こちらとしても全面的にではなく、主軸の一端を担ってもらってゆくゆくは他の人に分担できるようにしていきたいと思っているわけだし」



 「でもやるからにはしっかりとやりたいじゃないですか。 そんな中途半端にやったらせっかく声をかけてもらったのに失礼になってしまいます。 それでは僕が納得できない!」





静かなバーに響く声。 他の客も突然の声に警戒を示す。
この時期にはよくある揉め事の声とはいえ、何かの事件を期待する興味の目が二人に一瞬向けられたがすぐにそれぞれの世界へと戻っていく。





 「すいません。 つい力が入ってしまいました。」


 「気にするな」



 「とても面白そうだし、自分の新しいステップとしても興味深いんです。
だからこそ、中途半端に軽い気持ちで答えられなくて・・・」



 「少しでも世の中を面白くしたい、そしてそれを提供する手助けになればいい、そう思って新しい道へと進もうと思っているんだ。だからこそ、今の計画は全てではなくただの一歩。 その協力をしてほしい」



 「少し時間を下さい。  マスター いつもの」






世の中の喧騒の中で生きていくために、こういった休息の場所を見つけられた者のみが味わえる悠久の時間。
この男も嫌なことや重要な決断をする時にはこの場所を利用する。
そこで得るものは、対価を払ったお酒よりもむしろこの空間で存在する事の意義にあるのかもしれない。
そういった人たちで賑わう、といっても満員御礼ではなく心地よい程度の人の入り。それもまたこのバーの魅力なのかもしれない。




 「わかりました。 やらせていただきます」



 「そうか  ありがとう」



 「ただし条件があります。 今のものはこのまま継続して続けることが一つ。
そして、これから先も干渉せずに別々にやっていく事をご了承願いたい
気になるのは今の事が疎かになってしまうこと。
もう一方を伝えたいけど直接伝えられない、公表出来ない。 それだけです。
秘密保持の点でギリギリの所を通らなくてはやっていけない」




 「その点に関しては任せる」



 「現状の力を分割して、それぞれが生きるようにしていきます。 ちなみに新しいものはどういったものになるのですか?」



 「ちょっと待ってくれ

  こういう風にやっていこうと思う。 この3つの中の一つを君が担当するんだ」





 「なるほど。 わかりました編集長! これからもよろしくお願いしますね!」




 「編集長はよしてくれよ」



 「ハハハ   じゃあ今日は、美味しいお酒を楽しみましょうよ!」




このあとは詰まっていた者が取り外されたように二人の表情がパッ明るくなり楽しい語り合いが続いた。
お互い通っている道は違えど目指すものは同じ。 尊敬し合っているからこそ分かち合える時を刻む。
二人の明るい未来に向かってこの日も夜は更けていった。





(この物語はフィクションです)


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